Arduino UNO R4 MinimaとOLEDで2CHオシロスコープ・Pulse generator・Function Generator

更新日 2025.05.13 登録日 2025.03.06

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大阪教育大学の光永さんの Arduino でオシロスコープ は古い128x64のLCDディスプレイ用に作られたものですが、それを基に128x64の1.3インチOLEDで使えるように変更して ArduinoとOLEDで2CHオシロスコープ・Pulse generator・Function Generator・周波数カウンタ を作ったので、それを基にArduino UNO R4 Minimaに移植しました。サンプル数は128ポイントです。

本物のArduino UNO R4 Minimaはまだ価格が高いのでAliExpressで互換品を買いました。価格571円送料166円で注文から1か月ちょっとで届きました。オリジナルとちょっと違うところがあって16MHzのクリスタルが実装されています。また、表示器には0.96インチのOLEDとスイッチが4個付いた基板を購入しました。価格184円送料165円とへたに単体のOLEDを買うより安かったです。

開発環境は Arduino IDE 1.8.19 + Arduino UNO R4 Boards by Arduino version 1.3.2です。
ボードはArduino UNO R4 Minimaを指定します。

この環境ではAnalogRead()が使えるので単純にループしてサンプリングしています。標準でR3よりも速くなってはいますが、それでも変換時間が25us程度なので40ksps程度が限界です。高速サンプリング用にはレジスタを直接アクセスして単一チャンネルで346kspsまで出来ています。 IOポートの割り当てが違うArduino UNO R4 WiFiでは使えない可能性があります。

ソースコード

最新版はGitHubに置く予定です
https://github.com/siliconvalley4066/R4OLEDOscilloscope

R4OLEDOscillo103.zip (2025.05.13 update)

OLEDのドライバはSSD1306用です。SH1106用にするには#define DISPLAY_IS_SSD1306をコメントにすればOKです。ライブラリがインストールされていない場合はライブラリマネージャーから検索してインストールしてください。

使用ライブラリ

  • Adafruit_SSD1306 version 2.5.13
  • Adafruit_SH110X version 2.1.12
  • arduinoFFT by Enrique Condes 2.0.0
  • 回路図

    Arduino UNO R4のADCの入力インピーダンスが2.5kohmから6.7kohmと低いので、信号源インピーダンスが高いと波形が乱れます。回路図上では高入力インピーダンスにするためにオペアンプMCP6002によるボルテージフォロワを入れてありますが、動作確認するだけならこの入力回路は不要で、直接A1とA2に接続しても構いません。ただし、0Vから5Vの範囲を超える電圧を与えるとマイコンチップが壊れる恐れがありますので注意してください。
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    操作方法

    Arduino UNO R4 Minimaと0.96-inch 80x160 LCDで2CHオシロスコープ・Pulse generator・Function Generatorと同じです。

    時間軸の拡大は、Page 1の4番目つまり時間軸レンジの下でreal/scanと表示されている所でRightボタンとLeftボタンで x1,x2,x5,x10 が選択出来ます。拡大にはsin(x)/xによる補間をしています。

    Pulse Generatorについて

    R4のPWMのことはよく分かっていませんが、1MHzまでは出せたという記事が有ったので、2MHzを1/2から1/65536まで設定できるようにしました。発生できる周波数は30.5Hzから1MHzまでになります。周波数自体を設定するのではなく、発生できる上または下の周波数へ設定を変更して、その設定で発生される周波数を計算して表示します。周波数の高い方は1MHz, 667kHz, 500kHz, 400kHz, 333kHzのように飛び飛びの値になります。Duty cycleも実現可能な値が限られていて50%も不可能な場合がある。周波数の低い側の分解能は1/65536になり細かく設定できます。インタラプトは発生しないはずです。

    (2025.03.11 追記) version1.01からカウントとプリスケーラの分周比を直接設定する方法が分かったので、発生できる周波数は0.715Hzから24MHzまでに広がりました。クロック周波数48MHzを元にして分周比は、1倍、4倍、16倍、64倍、256倍、1024倍で、カウントは1/2から1/65536まで使います。周波数の高い方は24MHz, 16MHz, 12MHz, 9.6MHz, 8MHzのように飛び飛びの値になります。

    DAC DDS Function Generatorについて

    Lab3 - Laboratory for Experimental Computer Science を流用させていただきました。波形データはその他色々な所から集めました。周波数の設定と波形の選択だけがオリジナルです。周波数の分解能は取り敢えず0.01Hzにしました。インタラプト処理が入るので速いサンプリング時にオシロスコープの波形が間延びするようなら明示的にOFFにした方が良い。 Arduino UNO R4には12bit DACがあってA0ピンに出力できますが、変換速度があまり速くなく30us程度なので サンプリング周波数は30kHzにしました。メモリに余裕があるので用意した23波形すべてを使えます。 他のオシロで使っているデータを流用しているので8ビットデータになっています。

    DAC出力の負荷抵抗は30kohm以上であることが仕様なので、必要に応じてバッファアンプを付けてください。

    R4にはanalogWaveというライブラリがあってDACで波形を出力できますが、サイン波とのこぎり波と矩形波だけで時間方向の分割数が粗いのと周波数が飛び飛びになるので利用していません。

    リンク先が消えているようなので同じ内容を探してみました。 Arduino Sinewave Generator

    周波数カウンタについて

    (2025.05.13 update) version1.03から別ページArduino UNO R4で周波数カウンタで作っていた周波数カウンタを実装しました。ゲート時間は1秒です。 プリアンプは付けていませんが、5V系のデジタル回路のクロック周波数の確認等に使えると思います。

    周波数カウンタを使ってもPulse GeneratorやDDS Function Generatorには影響ありません。自身のPulse Generatorの周波数も計測出来ます。

    Known Bugs

  • まだソフトの完成度が低いので、時々暴走してマイコンボードに書き込み出来なくなることがあります。そんな時はリセットボタンをダブルタップすればブートモードになって書き込みできるようになります。ブートモードではオンボードのLEDがフワフワと点滅します。
  • 波形表示が所々途切れることがある。
  • Arduino UNO R4のADCの入力インピーダンスが低いので、信号源インピーダンスが高いと波形が乱れます。OPアンプのバッファを入れた方が良い。
  • 原理的に周波数測定には画面上で2周期以上が必要。
  • トリガモードのOneがうまく機能しない。
  • トリガが掛からない状態でトリガモードをNormにすると、トリガ検出から抜け出せなくなり操作不能になる。トリガが掛かる入力を入れれば復帰する。
  • 2ch表示で信号源インピーダンスが大きい場合は相互に観測波形に影響が出るかもしれない。
  • 2ch間でレベル差が大きい部分には相互干渉が発生することがある。
  • ADC入力の保護抵抗を省略したのでCPUが壊れやすい。直列に1kohmから10kohmの抵抗を入れておいた方が良い。
  • Pulse generatorはCPUクロックを分周していて1/2から整数分の1の周波数を発生する。周波数の高い方は1MHz, 667kHz, 500kHz, 400kHz, 333kHzのように飛び飛びの値になる。Duty cycleも実現可能な値が限られていて50%も不可能な場合がある。周波数の低い側の分解能は1/65536になる。
  • これ単体で2チャンネル入力にPulse generatorとFunction Generatorの出力を入れて波形観測して遊べます。
  • 改良可能性

  • DMAを使って709kspsまでに高速にできるはず。ただしHigh-precision channelの使い方が分からない。
  • 取り込みサンプル数を増やして表示位置を移動できるようにしてみたい。
  • 時間軸拡大表示、2倍、5倍、10倍にできますが位置は波形の先頭に固定です。位置を変更できるようにしたい
  • Hold Off調整機能を入れた方が便利かもしれない。
  • 機能概要

    機能 内容
    入力チャンネル数 2
    入力結合 DC and AC
    入力電圧範囲 0 to 5.0V
    入力インピーダンス 1Mohm。オペアンプ無しの場合は信号源2.5kohmから6.7kohm以下
    電圧レンジ(volts/div) 1V, 0.5V, 0.2V, 0.1V, 50mV
    時間レンジ(time/div) 10s, 5s, 2s, 1s, 0.5s, 0.2s, 0.1s, 50ms, 20ms, 10ms, 5ms, 2ms, 1ms, 500us, 200us, 100us, 70us (141ksps), (1 channel) 30us (346ksps)
    トリガモード Auto, Normal, Scan
    トリガ極性 rise/fall edge
    トリガソース CH1 or CH2
    トリガレベル調整 画面内位置を上下に調整
    外部トリガ No
    波形位置調整 上下に調整可能
    波形反転表示 Yes
    電圧測定表示 Max, Average, Min (AC入力でもDCレベルを表示)
    周波数&Duty測定 Yes
    電圧・周波数・Duty表示 表示・非表示切り替え
    文字表示 文字サイズ固定
    FFT Yes
    A/D変換分解能 12bits
    サンプル数 128samples/channel (12bits/channel) 12bit/sampleを電圧レンジに応じて6bitにスケーリングして表示
    表示解像度 128x64 dots, 10dots/div
    等価時間サンプリング No
    設定状態EEPROM保存 Yes
    操作方法 5方向スイッチ (Left, Right, Down, Up)
    プリトリガー No
    ホールドオフ機能 No
    時間軸拡大表示 x2, x5, x10 sin(x)/x補間
    X-Y表示 No
    Pulse Generator 0.715Hz to 24MHz 約5Vpp方形波 Duty ratio可変
    Function Generator 8bit DAC DDS 0.01Hz to 9999.99Hz(実用は400Hzまで) 約5Vpp
    23波形 sine, saw, revsaw, triangle, rectangle, 20% pulse, 10% pulse, 5% pulse, 1dot pulse, noise, gaussian noise, ECG, sinc5, sinc10, sinc20, sine 2 harmonic, sine 3 harmonic, chopped sine, sine abs, trapezoid, step2, step4, chainsaw
    周波数カウンタ デジタル入力 1Hzから16MHzまでのゲート時間1秒のパルスカウンタ。実力で19MHzまで。精度2000ppm程度
    PCへのデータ転送 No
    SDカードへの波形保存 No

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