大阪教育大学の光永さんの Arduino でオシロスコープ は古い128x64のLCDディスプレイ用に作られたものですが、それを基に128x64の1.3インチOLEDで使えるように変更して ArduinoとOLEDで2CHオシロスコープ・Pulse generator・Function Generator・周波数カウンタ を作ったので、それを基にArduino UNO R4 Minimaに移植しました。サンプル数は128ポイントです。
本物のArduino UNO R4 Minimaはまだ価格が高いのでAliExpressで互換品を買いました。価格571円送料166円で注文から1か月ちょっとで届きました。オリジナルとちょっと違うところがあって16MHzのクリスタルが実装されています。また、表示器には0.96インチのOLEDとスイッチが4個付いた基板を購入しました。価格184円送料165円とへたに単体のOLEDを買うより安かったです。
開発環境は
Arduino IDE 1.8.19 + Arduino UNO R4 Boards by Arduino version 1.3.2です。
ボードはArduino UNO R4 Minimaを指定します。
この環境ではAnalogRead()が使えるので単純にループしてサンプリングしています。標準でR3よりも速くなってはいますが、それでも変換時間が25us程度なので40ksps程度が限界です。高速サンプリング用にはレジスタを直接アクセスして単一チャンネルで346kspsまで出来ています。 IOポートの割り当てが違うArduino UNO R4 WiFiでは使えない可能性があります。
最新版はGitHubに置く予定です
https://github.com/siliconvalley4066/R4OLEDOscilloscope
R4OLEDOscillo103.zip (2025.05.13 update)
OLEDのドライバはSSD1306用です。SH1106用にするには#define DISPLAY_IS_SSD1306をコメントにすればOKです。ライブラリがインストールされていない場合はライブラリマネージャーから検索してインストールしてください。
使用ライブラリ
Arduino UNO R4のADCの入力インピーダンスが2.5kohmから6.7kohmと低いので、信号源インピーダンスが高いと波形が乱れます。回路図上では高入力インピーダンスにするためにオペアンプMCP6002によるボルテージフォロワを入れてありますが、動作確認するだけならこの入力回路は不要で、直接A1とA2に接続しても構いません。ただし、0Vから5Vの範囲を超える電圧を与えるとマイコンチップが壊れる恐れがありますので注意してください。
Arduino UNO R4 Minimaと0.96-inch 80x160 LCDで2CHオシロスコープ・Pulse generator・Function Generatorと同じです。
時間軸の拡大は、Page 1の4番目つまり時間軸レンジの下でreal/scanと表示されている所でRightボタンとLeftボタンで x1,x2,x5,x10 が選択出来ます。拡大にはsin(x)/xによる補間をしています。
R4のPWMのことはよく分かっていませんが、1MHzまでは出せたという記事が有ったので、2MHzを1/2から1/65536まで設定できるようにしました。発生できる周波数は30.5Hzから1MHzまでになります。周波数自体を設定するのではなく、発生できる上または下の周波数へ設定を変更して、その設定で発生される周波数を計算して表示します。周波数の高い方は1MHz, 667kHz, 500kHz, 400kHz, 333kHzのように飛び飛びの値になります。Duty cycleも実現可能な値が限られていて50%も不可能な場合がある。周波数の低い側の分解能は1/65536になり細かく設定できます。インタラプトは発生しないはずです。
(2025.03.11 追記) version1.01からカウントとプリスケーラの分周比を直接設定する方法が分かったので、発生できる周波数は0.715Hzから24MHzまでに広がりました。クロック周波数48MHzを元にして分周比は、1倍、4倍、16倍、64倍、256倍、1024倍で、カウントは1/2から1/65536まで使います。周波数の高い方は24MHz, 16MHz, 12MHz, 9.6MHz, 8MHzのように飛び飛びの値になります。
Lab3 - Laboratory for Experimental Computer Science を流用させていただきました。波形データはその他色々な所から集めました。周波数の設定と波形の選択だけがオリジナルです。周波数の分解能は取り敢えず0.01Hzにしました。インタラプト処理が入るので速いサンプリング時にオシロスコープの波形が間延びするようなら明示的にOFFにした方が良い。 Arduino UNO R4には12bit DACがあってA0ピンに出力できますが、変換速度があまり速くなく30us程度なので サンプリング周波数は30kHzにしました。メモリに余裕があるので用意した23波形すべてを使えます。 他のオシロで使っているデータを流用しているので8ビットデータになっています。
DAC出力の負荷抵抗は30kohm以上であることが仕様なので、必要に応じてバッファアンプを付けてください。
R4にはanalogWaveというライブラリがあってDACで波形を出力できますが、サイン波とのこぎり波と矩形波だけで時間方向の分割数が粗いのと周波数が飛び飛びになるので利用していません。
リンク先が消えているようなので同じ内容を探してみました。 Arduino Sinewave Generator
(2025.05.13 update) version1.03から別ページArduino UNO R4で周波数カウンタで作っていた周波数カウンタを実装しました。ゲート時間は1秒です。 プリアンプは付けていませんが、5V系のデジタル回路のクロック周波数の確認等に使えると思います。
周波数カウンタを使ってもPulse GeneratorやDDS Function Generatorには影響ありません。自身のPulse Generatorの周波数も計測出来ます。
機能 | 内容 |
---|---|
入力チャンネル数 | 2 |
入力結合 | DC and AC |
入力電圧範囲 | 0 to 5.0V |
入力インピーダンス | 1Mohm。オペアンプ無しの場合は信号源2.5kohmから6.7kohm以下 |
電圧レンジ(volts/div) | 1V, 0.5V, 0.2V, 0.1V, 50mV |
時間レンジ(time/div) | 10s, 5s, 2s, 1s, 0.5s, 0.2s, 0.1s, 50ms, 20ms, 10ms, 5ms, 2ms, 1ms, 500us, 200us, 100us, 70us (141ksps), (1 channel) 30us (346ksps) |
トリガモード | Auto, Normal, Scan |
トリガ極性 | rise/fall edge |
トリガソース | CH1 or CH2 |
トリガレベル調整 | 画面内位置を上下に調整 |
外部トリガ | No |
波形位置調整 | 上下に調整可能 |
波形反転表示 | Yes |
電圧測定表示 | Max, Average, Min (AC入力でもDCレベルを表示) |
周波数&Duty測定 | Yes |
電圧・周波数・Duty表示 | 表示・非表示切り替え |
文字表示 | 文字サイズ固定 |
FFT | Yes |
A/D変換分解能 | 12bits |
サンプル数 | 128samples/channel (12bits/channel) 12bit/sampleを電圧レンジに応じて6bitにスケーリングして表示 |
表示解像度 | 128x64 dots, 10dots/div |
等価時間サンプリング | No |
設定状態EEPROM保存 | Yes |
操作方法 | 5方向スイッチ (Left, Right, Down, Up) |
プリトリガー | No |
ホールドオフ機能 | No |
時間軸拡大表示 | x2, x5, x10 sin(x)/x補間 |
X-Y表示 | No |
Pulse Generator | 0.715Hz to 24MHz 約5Vpp方形波 Duty ratio可変 |
Function Generator | 8bit DAC DDS 0.01Hz to 9999.99Hz(実用は400Hzまで) 約5Vpp
23波形 sine, saw, revsaw, triangle, rectangle, 20% pulse, 10% pulse, 5% pulse, 1dot pulse, noise, gaussian noise, ECG, sinc5, sinc10, sinc20, sine 2 harmonic, sine 3 harmonic, chopped sine, sine abs, trapezoid, step2, step4, chainsaw |
周波数カウンタ | デジタル入力 1Hzから16MHzまでのゲート時間1秒のパルスカウンタ。実力で19MHzまで。精度2000ppm程度 |
PCへのデータ転送 | No |
SDカードへの波形保存 | No |